2014年6月26日木曜日

ひっこし完了






家が駅から一分のところで

喜んでいたのも束の間

出口までも、そして出口を出たあとも

鬼のような階段が続き

地蔵がはいってるかのようなリュックと

死体でもはいっているかのような重いスーツケースを

ウヌウヌいいながら

もち上げていたら

やさしくて細いお兄さんが荷物をグッと持ってくれた。

その時、なんて自分はズルイ存在なんだろう

と泣きそうになった。

出口に到着しても、彼が荷物をもってくれて

本当に自分はなんて駄目な奴なんだろうと絶望した。

これから自分でなんでも持てるようになる。

だれかに甘える癖、本当にやめたいんだ。

絶対、強くなる。

5階でもエレベーターは当然ない。

新しいお家には、

メキシコで買った変な人形たちが

お出迎えしてくれる。

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