2014年6月17日火曜日

入らないモノ




思い出が小さな箱につめられていく。

なるべく小さいものと思っていたけれど

「ほんま、いらんやん」

と思うものばかり

思い出して、もっていきたくなる。



ある日、彼がアルミ缶をプレスした

30キロもあるキューブを



家に持って帰ってきた。

これが子犬だったら

どんなに良かっただろう。

汁は毎日漏れて臭うし

尖ってて危ないし

重くて全く動かせない。

大量に積まれたコレがあまりにもキレイで

どうしても、ほしくなったそうだ。

同じ人間なのに

キレイの価値観がこんなにも違うなんて。

おじさん達が一生懸命集めた

洗われていないカン達を

彼が2000円で中国の方から買う。

工場の人は親切に

一緒にどれがいいか探してくれ

女の子も良かったら探すよと言ってくれたそうだ。

あんなに邪魔だと思ったのに

美しいモノの上位にプレスがいる。

大きな思い出は、小さな箱には収まらない。

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